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HANDS世田谷スタッフによる、
お勧めの本・映画・音楽などをご紹介していきます。
どうぞご賞味くださいませ。
1956年に公開され、アカデミー賞脚本賞・カンヌ国際映画祭でのパルムドールを受賞した36分の短編映画。2008年にデジタルリマスターで劇場再公開された短編映画の名作。
街灯に引っかかった大きな赤い風船を見つけた男の子パスカル。パスカルと助けた赤い風船の不思議な友情の物語。
子供の素直さと、その愛情に応えてくれる風船の愛くるしさ。街並美しいパリで繰り広げられるかわいいかわいい物語は、大きくなってしまった私たちに、子供の頃の気持ちをはっきりと思い出させてくれる。大人になってしまった私たちにはもう見えていないだけで、子供の世界では毎日起こっているのかも。そう思わせるのは、子供だましのファンタジーに逃げていないから。
人懐っこく動く赤い風船はいったいどうして動かしているの?ラストシーンはどうして撮っているの?CGがない時代に、いったいどうして作られたの?という興味も尽きない。
私は、大好きな姪と甥に今年こそはこのDVDをプレゼントしたい。と毎年思っている。
子供の頃に出会って、大きくなってもなお見続けてほしい、本当に素敵な優しい映画。
(yuka)
街灯に引っかかった大きな赤い風船を見つけた男の子パスカル。パスカルと助けた赤い風船の不思議な友情の物語。
子供の素直さと、その愛情に応えてくれる風船の愛くるしさ。街並美しいパリで繰り広げられるかわいいかわいい物語は、大きくなってしまった私たちに、子供の頃の気持ちをはっきりと思い出させてくれる。大人になってしまった私たちにはもう見えていないだけで、子供の世界では毎日起こっているのかも。そう思わせるのは、子供だましのファンタジーに逃げていないから。
人懐っこく動く赤い風船はいったいどうして動かしているの?ラストシーンはどうして撮っているの?CGがない時代に、いったいどうして作られたの?という興味も尽きない。
私は、大好きな姪と甥に今年こそはこのDVDをプレゼントしたい。と毎年思っている。
子供の頃に出会って、大きくなってもなお見続けてほしい、本当に素敵な優しい映画。
(yuka)
2010年3月に全米公開、同年8月に日本で公開された3Dアニメーション。ドリームワークス制作。
アカデミー賞など多くの賞にノミネートされ、またアニー賞各部門で9つの受賞を果たす。
日本では2010年3月、全国子ども会連合会によって映画分野での「子ども会推奨マーク」の認定を受けた。
バイキングの王を父に持つ気弱な少年ヒックと、
長きに渡ってバイキングと敵対してきたドラゴン族の中でも
「伝説」「黒い悪魔」と伝えられているドラゴン、トゥースの交流を、
コミカルで軽快なタッチとスピード感溢れるアクションシーンで描いている。
「少年から青年への成長」
「親子間の相互の自立」
「共生することの難しさと素晴らしさ」
「責任と犠牲」
など、単純な娯楽作品としてだけではなく、作品の根底に扱われているテーマは非常に深いものがあります。
観る者を引き付けるサービス精神溢れた「エンターテイメント」を通して、
最後までしっかりとメッセージを伝えようとする作り手の方々のこだわりが素晴らしいです。
特にエンディングの流れは感慨深いものがあります。
老若男女問わず、幅広い世代に是非観て欲しい作品です。
(bassy)
アカデミー賞など多くの賞にノミネートされ、またアニー賞各部門で9つの受賞を果たす。
日本では2010年3月、全国子ども会連合会によって映画分野での「子ども会推奨マーク」の認定を受けた。
バイキングの王を父に持つ気弱な少年ヒックと、
長きに渡ってバイキングと敵対してきたドラゴン族の中でも
「伝説」「黒い悪魔」と伝えられているドラゴン、トゥースの交流を、
コミカルで軽快なタッチとスピード感溢れるアクションシーンで描いている。
「少年から青年への成長」
「親子間の相互の自立」
「共生することの難しさと素晴らしさ」
「責任と犠牲」
など、単純な娯楽作品としてだけではなく、作品の根底に扱われているテーマは非常に深いものがあります。
観る者を引き付けるサービス精神溢れた「エンターテイメント」を通して、
最後までしっかりとメッセージを伝えようとする作り手の方々のこだわりが素晴らしいです。
特にエンディングの流れは感慨深いものがあります。
老若男女問わず、幅広い世代に是非観て欲しい作品です。
(bassy)
保坂和志の1996年に出版された小説。
鎌倉に住む父と息子の、特に何も起こらないごくありふれた日常が描かれているだけの話。しかし、父の息子への向き合い方や接し方、近所に住む家族との関係が、泣いたり笑ったりとは違う種類の静かで澄んだ感動をおぼえる。小津安二郎の映画のような、ごく日常に溢れる美しさがちりばめられている小説。
保坂和志の小説は、「何も起こらない」「ユルい」と評されることが多い。実際、彼の小説では、何も起こらない、誰も死なない、性描写もない。平坦な日常がただ描かれているだけだ。そしてその文章は、読点が永遠に続き一文が長い。慣れるまではリズムが掴みづらくダラダラした印象があり、それが一層ユルさを引き立たす。
彼の小説しか読んだことのない人は、彼を、彼の小説に出てくる主人公のように「ユルい人」だと思うかもしれない。しかし、エッセイを読めば、彼が、もしかすると他のどの小説家よりも哲学的で論理的な思想の持ち主だということに驚くと思う。そして、呆れるほどに小説のことしか考えていないことにも。
この小説も、彼の真摯に小説に向き合い、生きることを常に考えた末に生まれたものだと思う。しかし、一切の押し付けや教訓じみたところはない。徹底して存在しない。何も考えずに読めば、ただのユルい人達が出てくるダラダラしたユルい話だ。気楽に読める。
しかし、私たちがいつもの何気ない会話にも新しさや感動、尊敬を発見するように、彼らの何でもない日常からも同じような感情が自分の中に生まれてくる。
何の事件が起きないことと、何の心の変化がないことはイコールではない。
この小説の一番素晴らしいところは、父親の子供に対する姿勢と言葉だ。何よりも大切な本質的なことだけは手を抜かず徹底的に向き合う。一人の人間として話しかける言葉が、親や年長という位置でなく、「今はそれを君は知らないだけだよ。私は知っているだけだよ」という同じ目線にあることが、本当に素晴らしい。
保坂和志が、どうしてこのような形の小説を書いているのか。それは「書きあぐねている人のための小説入門」というエッセイからも分かる。これは、小説を書きたい人たちだけでなく、すべての芸術や創作活動をしている人たちに読んでもらいたい優れた芸術論だと思う。
そして、この本を読めば、「ユルい」だけだと思っていた小説が、どれほど「小説」という呪縛から自由になろうとしている小説かが分かると思う。
どちらも、お勧めの本です。
(yuka)
鎌倉に住む父と息子の、特に何も起こらないごくありふれた日常が描かれているだけの話。しかし、父の息子への向き合い方や接し方、近所に住む家族との関係が、泣いたり笑ったりとは違う種類の静かで澄んだ感動をおぼえる。小津安二郎の映画のような、ごく日常に溢れる美しさがちりばめられている小説。
保坂和志の小説は、「何も起こらない」「ユルい」と評されることが多い。実際、彼の小説では、何も起こらない、誰も死なない、性描写もない。平坦な日常がただ描かれているだけだ。そしてその文章は、読点が永遠に続き一文が長い。慣れるまではリズムが掴みづらくダラダラした印象があり、それが一層ユルさを引き立たす。
彼の小説しか読んだことのない人は、彼を、彼の小説に出てくる主人公のように「ユルい人」だと思うかもしれない。しかし、エッセイを読めば、彼が、もしかすると他のどの小説家よりも哲学的で論理的な思想の持ち主だということに驚くと思う。そして、呆れるほどに小説のことしか考えていないことにも。
この小説も、彼の真摯に小説に向き合い、生きることを常に考えた末に生まれたものだと思う。しかし、一切の押し付けや教訓じみたところはない。徹底して存在しない。何も考えずに読めば、ただのユルい人達が出てくるダラダラしたユルい話だ。気楽に読める。
しかし、私たちがいつもの何気ない会話にも新しさや感動、尊敬を発見するように、彼らの何でもない日常からも同じような感情が自分の中に生まれてくる。
何の事件が起きないことと、何の心の変化がないことはイコールではない。
この小説の一番素晴らしいところは、父親の子供に対する姿勢と言葉だ。何よりも大切な本質的なことだけは手を抜かず徹底的に向き合う。一人の人間として話しかける言葉が、親や年長という位置でなく、「今はそれを君は知らないだけだよ。私は知っているだけだよ」という同じ目線にあることが、本当に素晴らしい。
保坂和志が、どうしてこのような形の小説を書いているのか。それは「書きあぐねている人のための小説入門」というエッセイからも分かる。これは、小説を書きたい人たちだけでなく、すべての芸術や創作活動をしている人たちに読んでもらいたい優れた芸術論だと思う。
そして、この本を読めば、「ユルい」だけだと思っていた小説が、どれほど「小説」という呪縛から自由になろうとしている小説かが分かると思う。
どちらも、お勧めの本です。
(yuka)
ドイツのトーマス・ヤーン監督の傑作ロードムービー。
あと何日生きられるか分からない二人の男が、天国で流行っているという「海」の話に加わることができるように、本物の海を見に行くという物語。
病院に停まっている車を盗み、店や銀行からは大金を奪う。警察やワケありな車の持ち主には追いかけられる。日を追うごとに悪事はエスカレートしていく。そんな逃亡劇がテンポよく描かれている。
「もうすぐ死ぬんだから、怖いものはない」という荒くれ方も、潔く痛快。しかし、そんな悪事を賞賛するだけの映画なら、映画ファンの間でこれほど愛されてはいない。
海はもう目の前というところで、彼らは車の持ち主に捕まってしまう。海を見るという希望をくじかれ、死を目前としながらも殺されようとしている。しかし、この映画は、ここから本当の物語が始まる。
ドイツにはほとんど海がない。海や太陽はバカンス先にしかないもので、生活には存在しないものだ。日本人には考えられないが、海を見ず魚を食べずに死んでいく人も普通にいる。ドイツ人にとって、海は簡単に触れることのできない憧れの存在なのだ。
日本でもリメイクされたようだが、これは海に強い羨望をもつドイツ人にしか作ることのできなかった映画。これだけの悪事を繰り返してでも海に向かうのは、天国で仲間はずれになってしまうことが寂しいという理由だけではない。
しかし、この思いはドイツ人や海がない国の人達だけのものではないことは、映画の中でしっかりと証明してくれる。そして、そのシーンこそ、この映画の愛される理由だと思う。
天国で、海についてどんな話をされているのかを伝える台詞。この台詞を聞くだけでも観る価値がある。本当によい映画なので一度観てみてください。
(yuka)
あと何日生きられるか分からない二人の男が、天国で流行っているという「海」の話に加わることができるように、本物の海を見に行くという物語。
病院に停まっている車を盗み、店や銀行からは大金を奪う。警察やワケありな車の持ち主には追いかけられる。日を追うごとに悪事はエスカレートしていく。そんな逃亡劇がテンポよく描かれている。
「もうすぐ死ぬんだから、怖いものはない」という荒くれ方も、潔く痛快。しかし、そんな悪事を賞賛するだけの映画なら、映画ファンの間でこれほど愛されてはいない。
海はもう目の前というところで、彼らは車の持ち主に捕まってしまう。海を見るという希望をくじかれ、死を目前としながらも殺されようとしている。しかし、この映画は、ここから本当の物語が始まる。
ドイツにはほとんど海がない。海や太陽はバカンス先にしかないもので、生活には存在しないものだ。日本人には考えられないが、海を見ず魚を食べずに死んでいく人も普通にいる。ドイツ人にとって、海は簡単に触れることのできない憧れの存在なのだ。
日本でもリメイクされたようだが、これは海に強い羨望をもつドイツ人にしか作ることのできなかった映画。これだけの悪事を繰り返してでも海に向かうのは、天国で仲間はずれになってしまうことが寂しいという理由だけではない。
しかし、この思いはドイツ人や海がない国の人達だけのものではないことは、映画の中でしっかりと証明してくれる。そして、そのシーンこそ、この映画の愛される理由だと思う。
天国で、海についてどんな話をされているのかを伝える台詞。この台詞を聞くだけでも観る価値がある。本当によい映画なので一度観てみてください。
(yuka)
昨今問題視されている、「フリーター」や「ニート」と呼ばれる若者の視点から、再就職、うつ病を持つ家族との関係性など様々な問題と向き合う様子が描かれる。
フィクションであるため、多少のご都合主義は否めないが、それでも問題解決のために一念発起し、悩みながら奔走する主人公の姿は読者に活力を与える。
「うつ病」という、具体的な症状が世間一般にはまだあまり認知・理解されているとは言い難い精神症状を、その家族の視点から描いたことで、話題作となった。
2009年に初版が発行、2010年にはドラマ化され、
主人公「武 誠治」役を嵐の二宮和也が演じ、大ヒット作となりました。
一見とっつきにくい重いテーマを、ライトノベル出身のベストセラー作家「有川 浩」が
爽やかに描いています。
転職の際の採用面接に挑む主人公の心情も細かく書かれているので、
「就職・転職の指南書のひとつ」として読んでみても面白いかもしれません。
(bassy)
フィクションであるため、多少のご都合主義は否めないが、それでも問題解決のために一念発起し、悩みながら奔走する主人公の姿は読者に活力を与える。
「うつ病」という、具体的な症状が世間一般にはまだあまり認知・理解されているとは言い難い精神症状を、その家族の視点から描いたことで、話題作となった。
2009年に初版が発行、2010年にはドラマ化され、
主人公「武 誠治」役を嵐の二宮和也が演じ、大ヒット作となりました。
一見とっつきにくい重いテーマを、ライトノベル出身のベストセラー作家「有川 浩」が
爽やかに描いています。
転職の際の採用面接に挑む主人公の心情も細かく書かれているので、
「就職・転職の指南書のひとつ」として読んでみても面白いかもしれません。
(bassy)
1989年12月24日から1年間を通して、
ダンサー、シンガー、パフォーマーなど、様々なアーティストを志す若者たちの姿を描く青春群像劇。
貧困と病魔に苛まれる日々の生活の中で、愛と生きることの喜びを見いだしていく。
ゲイやレズビアンなどのセクシャルマイノリティ、ヘロイン中毒、そしてHIVなど、
1980年代終わりのニューヨークの世相や社会問題を反映したストーリーとなっている。
1996年、オフブロードウェイのニューヨーク・シアター・ワークショップで初公開され、
瞬く間に社会現象となったミュージカルの映画化作品です。
「Rent」、「Seasons Of Love」、「Finale」など、数々の名曲を世に生み出しました。
冒頭から若者達が圧倒的な熱量で各曲を歌い上げる様は正に「圧巻」の一言で、
観終わった後、何かが心に残ることは間違いありません。
エネルギーが欲しいときに見て欲しい作品です。
(bassy)
ダンサー、シンガー、パフォーマーなど、様々なアーティストを志す若者たちの姿を描く青春群像劇。
貧困と病魔に苛まれる日々の生活の中で、愛と生きることの喜びを見いだしていく。
ゲイやレズビアンなどのセクシャルマイノリティ、ヘロイン中毒、そしてHIVなど、
1980年代終わりのニューヨークの世相や社会問題を反映したストーリーとなっている。
1996年、オフブロードウェイのニューヨーク・シアター・ワークショップで初公開され、
瞬く間に社会現象となったミュージカルの映画化作品です。
「Rent」、「Seasons Of Love」、「Finale」など、数々の名曲を世に生み出しました。
冒頭から若者達が圧倒的な熱量で各曲を歌い上げる様は正に「圧巻」の一言で、
観終わった後、何かが心に残ることは間違いありません。
エネルギーが欲しいときに見て欲しい作品です。
(bassy)